日々おもうこと

熾き火(おきび)

寿という漢字は、いのちの年数を示します。寿を長く重ねていくことは喜びとなり、長命を祝って、喜寿、米寿、白寿と書き表します。事故や病気に遭わずに自然に長生きをした方を、天寿をまっとうされたといいますし、寿命というと生きている年月を表します。…

秋のお彼岸会

9月20日(水)21日(木)22日(金)23日(土・祝) 午前10時から 24日(日) 午後2時から 5日間にわたりご本尊薬師如来さまの御前にてお勤めをいたします。般若心経などを一緒にお唱えします。 ご先祖の供養をとおして、よりよい暮らしを見つめましょう。檀…

正月の水仙

凛とした姿と豊かな香りを持つ水仙は、陰の花(冬の花)の中でもその美しさは格別で、お正月を彩るお花です。生花で水仙を生けるには、袴と呼ばれる根元の白い部分を外して、花と葉の高さや向きを整えて組み直して戻します。草木そのものが持っている、ある…

愛宕まつり

2月24日は愛宕さまの御縁日です。 23日10時から東漸寺にて護摩祈願を行い、午後に愛宕勝軍地蔵さまを山頂へ運び上げます。夜7時から山頂御宝前にてご開帳をし、地域の安全と豊かであることをお祈りし、お堂でお籠りをします。 例年沢山の方に山頂ま…

年始に思うこと

百八回の除夜の鐘を、今年は一人で30分かけて撞きました。いつもは境内が400人ほどの人で溢れ、準備から多くの方にお世話をいただいていましたが、みなさんにご家庭で年越しをお迎えいただきたくて、住職一人の静かで寒い年越しとなりました。 私が幼い頃、5…

総本山智積院の御守です

東漸寺の本山は、京都東山にあります智積院です。ご本山では毎朝お不動さまの御宝前にて疫病退散・息災安穏の護摩が修されています。本山を参拝された方には特別に祈願をされた御守がお授けされています。 この度、御本山のご厚意により、その御守が届きまし…

お正月を過ごす

おてがき(お手がけ) お菓子としてのお年玉です。世の東西を問わずに、お祝いにお菓子は欠かせません。師走に入った頃から、お正月に向けたお菓子を選んでいきます。準備をするところから、愉しみが始まっています。 平戸藩に伝わる元旦の朝の作法では、玄…

開山忌報恩講

12月6日(日曜日) 午前9時30分 午前11時 午後1時(3座行います) 師走を迎え、お寺でお経をおあげし、月輪観・一人でできる心の整え方 のお話をいたします。ご先祖供養と共に一年を省みて、人々の幸せをお祈りする時間としてください。 美しい満月をながめ…

供養について

供養という言葉の本来の意味は「尊敬」です。仏さまを尊敬するから供養すると表現します。先祖や亡き方へ敬意を示すことも供養をしていると言い表します。生きるもの同士も敬い合うので供養をしているのですが、これは尊敬すると言いますね。日本では先祖供…

お盆をお迎えします

令和の時代が華やかに始まった一年前に、疫病に悩む時代になるとは、夢にも思いませんでした。 令和は天平二(730)年に太宰府で行われた梅花の宴を詠んだ歌に拠るものです。それから数年後、疫病が九州で大流行をします。多くの農民が亡くなり飢饉が起き…

赤ちゃんがおいでになる

画僧牧宥恵さまから描いていただいたお薬師さま 1995年というと、パワーブック5300csというラップトップ(とはいえ厚みは6センチほどありましたが)を持ってウキウキしていた頃。初めての子どもに恵まれた年です。 「赤ちゃんがおいでになりましたか、おめ…

お薬師さまのお経

2015年にお薬師さまは大修理を行いました。700年の間には、廃寺になったこともありますし、防空壕の中で腐れてしまったこともあり、さまざまな困難を超えて今に伝わっています。 1500年ほど昔のインドで薬師経というお経ができて、チベットや中国、さらに日…

お巡(めぐ)りをお考えのみなさまへ

ご本尊薬師如来ご真言 おんころころせんだりまとうぎそわか (壁紙サイズにしておりますので、握り仏としてください) 東漸寺は九州88ケ所霊場74番札所に指定されています。九州一円を巡り、本堂にあがって拝める霊場として親しまれています。 霊場巡りは各県…

花にちなんで

ご本尊 薬師如来が持つ薬壺(やくこ) 薬を与え病を除き、苦しみを癒やし、寿命を延ばそうと願うお姿です。ご真言は「おんころころせんだりまとうぎそわか」苦しみの時、繰り返しお唱えください。 先が見えない毎日となりました。恐れを抱くことは、身を守る…

黄ばんだマック

1993年は憧れのマッキントッシュというコンピューターが身近になった年でした。お家にやってきた一体型のLC520はモニタが大きく頭でっかちで、SE/30やクラッシックのように格好良くはありませんでしたが、内臓ステレオスピーカーからの起動音は田舎の寺に未…

桜の花

今日は少しだけお手伝いをしている更生施設の観桜会。少年たちと一緒にお昼をいただき、レクリエーションをして過ごします。残念ながら昨晩からの雨に、桜はほぼ散ってしまいました。 はじめに施設長さまのご挨拶 「今日は目の前にもう桜はありません。しば…

クスノキ千年計画のはじまり

東漸寺の大クスは樹齢およそ500年といわれ、いや、50年前にもそう云われていましたから、正確に言うと550年となるのでしょう。そういう人間の細かいこだわりなど忘れるくらい大きく、伸びやかに枝を伸ばす巨木です。幹周9メートル、樹高20メートル。その長い…

野の花に

私の叔父は旧制中学校を卒業した後、僧侶となるべく東京石神井にあった智山専門学校へ進みました。この学校は大正大学へ統合。昭和18年、学徒動員で出兵をし、19年春にマニラ沖の輸送船で戦死をしました。戦後、私の父が意思を継ぎ大学へ進み、お寺を守るこ…

夏休みがおわりますね

夏休み最後の日曜日のご法事。お家に着くと、小学5年生のお姉さん、3年生の長男坊主、1年生の末っ子の三兄弟が待っていてくれました。ちょっと離れたところに住んでいるので、久しぶりに会うと、それぞれの成長がまぶしいです。 今日はこの子たちのお祖父…

お盆をおむかえします

今年もお盆が来ます。 大きな行事をひかえ、ひとりコツコツと準備をします。毎年の決まったことをする時、たとえば施餓鬼棚を組む時、五如来の旗をつくる時、そういうふとした瞬間に、父はもういないのだなと、つくづく感じます。 忙しい早くしないとと、も…

みろくぼさつ

弥勒菩薩は、お釈迦さまの教えがとどかなくなる頃に、人々を救うといわれる仏さまです。サンスクリット語ではマイトレーヤで、これは「慈しみ」を語源としています。あらゆる人々の幸せを望む心がその本体であり、実践するためにずっと修行をされているので…

薬師如来

平らかなる一年でありますことを、ご本尊さまの前でお祈りをしております。東漸寺の御本尊、薬師如来は、七百年昔に造られて以来、この地をお守りする仏さまとして伝えられています。平成の大修理が終わり、初めてのお正月を迎えました。 薬師如来は、病を治…

お涅槃

2月15日、今日はお釈迦さま入滅の日、常楽会です。3月彼岸会まで涅槃図を拝めるようにしていますので、お参りください。 お釈迦さまの説法に感激をしたチュンダという方が、たくさんの料理でおもてなしをしました。しかし、そのお料理がもとでお釈迦さま…

思うようにならない

思うようにならないことで、ストレスを感じます。 そもそも、生まれることも、歳を重ねることも、病になることも、やがて死にいくことも、自分の思うようにはなりません。 自身が思うようにならないのに、人が思うようになるはずがありません。 愛する人とは…

おっくうなお話

お写真は除夜の鐘のようすです。寒い中長い時間お待たせしてしまいますが、必ず一回づつ撞いていただきます。さて、長い時間のお話です。 気乗りがしないことをするのは、おっくう(億劫)なことです。「劫」とはサンスクリット語でカルパという時間の単位で…

お巡り

お巡(めぐ)りさんが着る白衣を、笈摺(おいずる)といいます。 笈(おい)とは、ほとけさまや身の回りの品を背負う箱で、背負子に箱が組み合わさったようなものですね。これを背負うときに、衣が摺(す)れないように着ていたものが本来です。 笈摺には、…

岩問山(いわとさん)

お寺から東南の方向に東漸寺の山林があり、古道を15分ほど登ったところが、奥の院、岩問山(いわとさん)です。和銅年間(708年)に行基菩薩により開かれたと伝えられ、佐世保での霊山としてはもっとも古い時代のものとなります。寛和2年(986年)…

門松が建ちました

お寺のすべてを知り尽くし、先代から現住にいたるまでお寺を支え続けていただいた方がいらっしゃいました。毎年の門松も材料の調達から建込みまで一手に受けて頂いていましたが、この夏をむかえようとするころ、急なお別れとなりました。 その意志はしっかり…

お盆をむかえました

お盆は ご先祖さまが帰ってこられることをもって 生きる私たちが集うひとときです 集いを良いものとするには お互いを認め合うことにつきます 家庭は心と心がもっとも近く触れあって住むところであるから むつみあえば花園のように美しいが もし心と心の調和…

あれから

東日本大震災から3年がたちます。 梵鐘をならし、おつとめをいたします。 今日は、ただただ、お祈りの日といたします。