お薬師さまのお経

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2015年にお薬師さまは大修理を行いました。700年の間には、廃寺になったこともありますし、防空壕の中で腐れてしまったこともあり、さまざまな困難を超えて今に伝わっています。

 

1500年ほど昔のインドで薬師経というお経ができて、チベットや中国、さらに日本へと伝わりました。サンスクリット語経典も発見されていますし、漢訳は西遊記のお話で有名な玄奘三蔵が訳したものも伝わっています。

 

病との向き合い方として、手を洗い歯を磨き、洗い清めた服を着て清潔にすること。
そして、穢れなく怒りのない心を保ち、心安らかに、互いに人の幸せを祈り、平等の心を起こしなさいと説きます。


心の拠り所として、薬師如来の像をまつり、日中も眠っている時も薬師如来の名を呼び供養を行うことを説きます。


病人と向き合うのに7日間に渡って殺生、偸盗、邪淫、妄語、飲酒をせずに、過剰な食事をとらない、趣味に走らない、贅沢な座具で休まないなどという、大切な人を看護するには必然とも言えることを守り生活をすること。さらには14日、21日、35日、49日と継続していくことを推奨しています。

 

それでも、長い人生の中で病が消えることはありません。ですから、人に言われて向き合っていることではないし、責任の所在を言うものでもありません。ましてや、戦い続けていくようなものではなく、生き続けていくかぎりずっと共存していくものであることを諭します。

 

 

玄奘三蔵訳の薬師瑠璃光如来本願功徳経から写経です。
般若心経の半分くらいの文字数にしていますので、なぞり書きで挑戦してみてください。

書き下し文です。

仏、曼殊室利に告げて、かくのごとし、かくのごとし、汝が説くところのごとし。曼殊室利よ、もし浄信の善男子・善女人等あって、かの世尊薬師瑠璃光如来を供養せんと欲せば、まさに先ず彼の仏の形像を造立し、清浄の座を敷いてこれを安処すべし。種々の花を散じ、種々の香を焼き、種々の幢幡をもって、その処を荘厳し、七日七夜、八分斎戒を受持し、清浄の食を食し、澡浴香潔し、新浄の衣を着て、まさに垢濁無き心、怒害無き心を生じて、一切有情において利益安楽・慈悲喜捨・平等の心を起こすべし。

 

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