開山忌報恩講

12月6日(日曜日)

午前9時30分 午前11時 午後1時(3座行います)

師走を迎え、お寺でお経をおあげし、月輪観・一人でできる心の整え方 のお話をいたします。ご先祖供養と共に一年を省みて、人々の幸せをお祈りする時間としてください。

 

 美しい満月をながめ、その月を心に抱いていると観じます。月がしだいに大きくなるように想像します。自分を包み込み、さらに周りの人も一緒に包まれ、町も国も満月輪の中に一緒だと感じます。

 

 嬉しいことも、理不尽なことも、悲しみも同じ満月の中に一緒です。お大師さまが伝えた月輪観(がちりんかん)といわれる心を整える修行法の一部分です。

 

 自分の心が丸く広くなるように意識をすることで、少しでも楽を感じることができると良いですね。

 

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興教大師御影 板絵

 

 開山忌は興教大師覚鑁上人の御祥忌です。弘法大師が入定されてから約三百年後、弘法大師の、み教えを大切に守り伝える努力をされた方です。

 

 お生まれは現在の佐賀県鹿島市。蓮厳院という寺で幼少に修業をされ、京都仁和寺、高野山へと上り、学問所の創建を軸に、人々の教育に努められました。時代は、京の都での平和が終わり、「武者の世」がはじまる転換期です。そこを生きた興教大師が残されたことは、「心からお祈りをする」という大切さであり、「自心を深く観る」時間をもつことでした。

 

 康治2年12月12日に入滅をなされましたので、12月は報恩講として拝んでおります。

 

 現代も大きな転換期です。私達は世の風潮に踊らされることなく、自分を見失わないよう心がけねばなりません。お寺での心静かなお祈りの時間を保つことが、その一助となりますことを願い、伽藍をととのえております。

 

 お寺では供養や祈願のあり方を、伝統と新しい生活に合うことに配慮をしながら共に考えてまいります。どんなことでも、お気軽にお尋ねください。