秋のお彼岸会
9月19日(木)〜23日(月)の五日間
毎日午前10時から本堂でお経をあげ、ご法話を行います。
どなたでもご参加になれます。
長江の上流の南陽県甘谷には、菊が咲きほこり、その花から滲み出た甘い水が川に流れ、それを飲む村人はとても長生きをするという故事が伝わります。つまり菊花は不老不死を表します。
朝晩の暑さがやわらぎ露が結ばれ頃、菊水を吸いに蝶が舞い降ります。蝶はサナギから抜け出て羽ばたく様子から、魂が再生する象徴ともいわれます。秋まで長生きをした蝶は、羽が擦れて傷んでおり、飛ぶ姿は弱々しいですが、命の限りを尽くして生きてきた美しさがあります。
「秋を経て 蝶もなめるや菊の露」松尾芭蕉
私たちが歳を重ねることも同じです。美しく生きていくことを求めながら、その歳らしさを大切にしたいです。
この故事にあやかり「重陽の節句」には菊花を浮かべたお酒をいただき、延命長寿を祈ります。古来、奇数を陽数と呼び縁起の良いものとされ、季節ごとの節句を祝います。1月7日は人日(七草)、3月3日は上巳(桃)、5月5日は端午(菖蒲)、7月7日は七夕(笹)、そして陽数で一番大きな九が重なる 9月9日は重陽(菊)となります。北部九州では九日を「くんち」と呼び、秋の実りに感謝し、新米の栗ご飯をお供えします。季節感を失いそうなお天気が続きますが、深まりゆく秋、大人の節句として重ねゆく歳を楽しみたいですね。