国が統一されて久しくたつと、必ず争いが起きるのが世の常です。九百年ほど昔、平安の世は終わりを迎え、武力により事を鎮めていく時代が訪れます。権力者が保身に走ると、世の中は荒れていきます。
その時代に生きた興教大師覚鑁上人という方は、弘法大師の教えを守り伝える努力をされ、真言宗中興の祖とお呼びします。教えを理解するための教育、反省をする心、そして一心に仏さまに祈る心を尊ばれた興教大師さまのお命日を開山忌と呼び、その恩に報いる感謝の日と定めています。
現代も大きな転換期です。他人の行いを批判することよりも、自身の心を見つめる時間が何よりも必要です。お寺での心静かなお祈りの時間を保つことが、その一助となるでしょう。