日々おもうこと

しあわせ

どんな人でも、単独で暮らしているのではなく、常に人と人の関係の中で生きているのが、私たち「人間」です。宗教や文化も違う国と国がお付き合いしていくためには、条約が必要なように、人間同士の関係を正常に保つためには、ルールが必要です。その場の感…

開山忌

国が統一されて久しくたつと、必ず争いが起きるのが世の常です。九百年ほど昔、平安の世は終わりを迎え、武力により事を鎮めていく時代が訪れます。権力者が保身に走ると、世の中は荒れていきます。 その時代に生きた興教大師覚鑁上人という方は、弘法大師の…

いま生命あるは あり難し

私たちは人として生まれたことを、当たり前として生きてしまいがちです。人まかせで目的も一貫せず、眼前の「楽」を追う私たちが、限りある命を生かしきっているのか、お釈迦さまは深い思慮を求め、問いかけます。 人の生をうくるは かたく やがて 死すべき…

苦しいこと

悪いことばかりおこって、何かのたたりなのでしょうか?と聞かれることがあります。悪いこととは、つまり「苦」という状態です。人はなぜ苦を感じるのか?答えは簡単で、生きていることそのものが「苦」であると、お釈迦さまは説かれます。 たとえば、おいし…

無為

子供が、寝ころがりだらだらしている様子は、家事に追われる親から見れば、無駄の極みです。しかし、人間は何もしない時間があるからこそ、空想や想像、また内省をします。生産性から観れば無駄でも、生き方としては有意義な時間です。 しかも、人は一生とい…

きれいな月

きれいな月を ずっと 見あげていた いやなこと 何だったっけ

善い行い

お釈迦さまがお生まれになった二千五百年前に書かれたお経に「この世の中は暗黒である。善い行いの理を見分ける人は少ない。網から逃れた鳥のように、天に至る人は少ない」とあります。昔々から世の中が混迷していることをお経は伝えます。 時代の雰囲気が悪…

開山忌

近年、「地域」というキーワードのもと、何かとイベントは多いのですが、深く個人を見つめ直す機会は少なくなっています。 子供を取り囲む環境も、クラブ活動、習い事など資質をのばす教育は充実しましたが、家族としてのあり様、年齢に相応した心身の確立な…

厄年

厄年とは、わざわいが多いであろうとされる年齢のことです。仏教の哲学にもとづくものではなく、日本人の長い暮らしの中で、さまざまな思考や習慣などが組みあわさり、言い伝わってきたものです。近年では、厄年の数が増えている暦も多いですし、意味もない…

観音さま

観音さまとは、「観世音菩薩」あるいは「観自在菩薩」というお名前の仏さまの略称です。キヤノンという会社がありますが、戦前に前身となる会社の開発者が、ドイツ製カメラに劣らないものをと設計試作したカメラに、観音さまにあやかり、カンノン(KWANON)と…

亡き方のため

十九歳の夏、私は初めて京都のお寺に行き、修行者のはしくれとなっていました。暑い日々をこなしていると、幼い頃から知っていた父の友人であるお坊さんから、「さぞ、暑かろう」と、励ましのお葉書を頂きました。 当時の私はまだまだ幼く、目上の方が云う理…

木魚

木魚は、お経を読むときに、調子をとるために、たたく仏具です。中国の宋時代に禅寺で使われはじめたといわれ、日本へは室町時代に伝えられました。なぜ魚の形なのかは、さまざまなお話があります。一説には魚が昼夜を問わずに目を開けていることから、居眠…

ものの興廃

古書を整理しているときに、戦時中の一通の手紙が出てきました。差出人は長崎県 内政部長 様。消印は昭和20年6月25日です。国は戦時下で、爆薬の原料として樟脳を集めており、東漸寺の楠木も供出の要請があり、当時の住職は、保護を求めて長崎県に手紙…

諸行無常

諸行無常、または無常という言葉は生活の中で、耳にする事があります。これは仏さまの言葉で、万物は常に変転してやむことがない、すなわち、作られたものは移り行くということなのです。 椿の花がポトリと落ちたり、紅葉が、はらはらと散るさまに無常を感じ…

発掘調査

数年後、お寺から西へ一キロの場所に西九州道路I.C.が供用されます。現在周辺の発掘調査が行われており、縄文から近世までの幅広い埋蔵品が出土しています。東漸寺へも関連の調査がありました折りに、貴重な品々を見せていただきました。下本山トンネル付近…

身花  身美

身を美しく飾ると書いて、「しつけ」と読みます。この文字は日本で作られた国字で、この字の他に、身に花と書いて「しつけ」と読ませていたそうです。私はこの身に花の字が好きです。花はそれぞれに美しい色があります、赤は赤なりに、白は白なり、黄色は黄…

穀の縁に遇うがごとし(弘法大師)

七月初旬、近年の子供の事件を契機として、県教委主催「長崎っ子の心を見つめる」教育週間がありました。お寺にも要請があり、小中学生合同で、本堂で地域の歴史を味わう集いを開き、千三百年の歴史をもつ道である、奥の院までの山道を歩きました。身近な歴…

武器

残念なことに、戦争が身近な出来事として感じられるようになってきました。 お釈迦さまの時代、古代インドでも争いは絶えなかったようです。現在のように大量破壊兵器はなかったでしょうが、自在に敵を倒すための道具として、様々な武器が作られました。 さ…

八祖大師

真言宗の教えは、お釈迦さまが残された教えの数々を編纂した『大日経』『金剛頂経』の二つの教典が基本となります。その教えは、師からの口伝えが欠かせません。お大師さまが生死をかけて中国に渡られたのは、師を求めてのことでした。弟子に入ると決まりを…

八祖大師

第一祖 龍猛菩薩は南インドに誕生し、南インドの鉄塔に納められた金剛頂経を授かり、仏の教えを全インドにひろめました。 第二祖 龍智菩薩は優れた能力を持ち、その徳は全インドにあまねく、名声は十万に聞こえたといわれます。 第三祖 金剛智三蔵は、弟子不…

自由

「自由」という言葉がよく使われます。自由(自らに由る)というこの言葉、辞書には「他からの束縛を受けず、自分の思うままにふるまえること」などの意味が解かれています。 自分の思うままにふるまった結 、他人に迷惑をかけるようでは、自由にしていると…

あたかも、母が己がひとりの子を 身命を賭しても護るように 一切の生きとし生けるものに対しても 無 の慈しみの心を起こすべし

仏教の精神は「慈悲」という言葉で表されます。父母の子供に対する愛情にたとえられ、憎しみを蔵する世間的な愛をこえた、純粋の愛です。 「慈」は草が糸のように萌えいずることをやさしく見守っているという意味が含まれる文字で、子供の成長を見守っている…

きれいだね

お大師さまは、身(からだ)口(ことば)意(こころ)が常に一致していることが、幸せの条件であるといわれました。美しい月を見上げ、心からきれいだと思い、思わず「月がきれいだね」と言う時は、身体と言葉と心が一致しています。そういう純粋な行いの時…

道は自ずから弘まらず弘まることかならず人による(弘法大師)

昨年、印象に残ったニュースの一つに、スペースシャトルの映像があります。まるで映画の世界のような場面が生中継されました。最先端の技術を結集した宇宙の出来事は、人工衛星を手でつかんで回収するという、意外にも人間味あふれるものでした。まさに今、…

分別しないこと

分別というと、よく見かけるのが「分別(ぶんべつ)収集」です。きちんと分けると正しいのがゴミの世界です。広辞苑を引くと「世事に関して、常識的な慎重な考慮・判断をすること、またその能力」とあり、やはり、正しいことのように見受けられます。 仏教で…

まずは、ほとけさま

仏さまのお供え物を考えてみましょう。からだを清める香、さとりの象徴である花、迷いの道を照らす灯明、それに万物の根元である水のお供えは、基本となります。お供えに適さないものとして、生ものは当然として、毒や棘のある花、臭いや刺激の強い食べ物が…

環境

クスノキの手当をして頂いた方が「これだけ大きな木になるには、環境が重要で、このあたりは本当に適していたのでしょうね」とおっしゃっていました。確かに人間の手が入っていない山はたくさんありますが、500年を越える年月を重ねる大木は滅多にありま…

手を合わせる

ずいぶん冷え込みが厳しくなってきました。寒い時には私達は自然に手を合わせています。冬場は不信心な人も自然に合掌をしているものです。合掌する姿は私達にとって暖かく、強く、尊いものです。 人間の運動機能のうち3分の1が手にあり、神経や筋肉が集中…