日々おもうこと

身花  身美

身を美しく飾ると書いて、「しつけ」と読みます。この文字は日本で作られた国字で、この字の他に、身に花と書いて「しつけ」と読ませていたそうです。私はこの身に花の字が好きです。花はそれぞれに美しい色があります、赤は赤なりに、白は白なり、黄色は黄…

穀の縁に遇うがごとし(弘法大師)

七月初旬、近年の子供の事件を契機として、県教委主催「長崎っ子の心を見つめる」教育週間がありました。お寺にも要請があり、小中学生合同で、本堂で地域の歴史を味わう集いを開き、千三百年の歴史をもつ道である、奥の院までの山道を歩きました。身近な歴…

武器

残念なことに、戦争が身近な出来事として感じられるようになってきました。 お釈迦さまの時代、古代インドでも争いは絶えなかったようです。現在のように大量破壊兵器はなかったでしょうが、自在に敵を倒すための道具として、様々な武器が作られました。 さ…

八祖大師

真言宗の教えは、お釈迦さまが残された教えの数々を編纂した『大日経』『金剛頂経』の二つの教典が基本となります。その教えは、師からの口伝えが欠かせません。お大師さまが生死をかけて中国に渡られたのは、師を求めてのことでした。弟子に入ると決まりを…

八祖大師

第一祖 龍猛菩薩は南インドに誕生し、南インドの鉄塔に納められた金剛頂経を授かり、仏の教えを全インドにひろめました。 第二祖 龍智菩薩は優れた能力を持ち、その徳は全インドにあまねく、名声は十万に聞こえたといわれます。 第三祖 金剛智三蔵は、弟子不…

自由

「自由」という言葉がよく使われます。自由(自らに由る)というこの言葉、辞書には「他からの束縛を受けず、自分の思うままにふるまえること」などの意味が解かれています。 自分の思うままにふるまった結 、他人に迷惑をかけるようでは、自由にしていると…

あたかも、母が己がひとりの子を 身命を賭しても護るように 一切の生きとし生けるものに対しても 無 の慈しみの心を起こすべし

仏教の精神は「慈悲」という言葉で表されます。父母の子供に対する愛情にたとえられ、憎しみを蔵する世間的な愛をこえた、純粋の愛です。 「慈」は草が糸のように萌えいずることをやさしく見守っているという意味が含まれる文字で、子供の成長を見守っている…

きれいだね

お大師さまは、身(からだ)口(ことば)意(こころ)が常に一致していることが、幸せの条件であるといわれました。美しい月を見上げ、心からきれいだと思い、思わず「月がきれいだね」と言う時は、身体と言葉と心が一致しています。そういう純粋な行いの時…

道は自ずから弘まらず弘まることかならず人による(弘法大師)

昨年、印象に残ったニュースの一つに、スペースシャトルの映像があります。まるで映画の世界のような場面が生中継されました。最先端の技術を結集した宇宙の出来事は、人工衛星を手でつかんで回収するという、意外にも人間味あふれるものでした。まさに今、…

分別しないこと

分別というと、よく見かけるのが「分別(ぶんべつ)収集」です。きちんと分けると正しいのがゴミの世界です。広辞苑を引くと「世事に関して、常識的な慎重な考慮・判断をすること、またその能力」とあり、やはり、正しいことのように見受けられます。 仏教で…

まずは、ほとけさま

仏さまのお供え物を考えてみましょう。からだを清める香、さとりの象徴である花、迷いの道を照らす灯明、それに万物の根元である水のお供えは、基本となります。お供えに適さないものとして、生ものは当然として、毒や棘のある花、臭いや刺激の強い食べ物が…

環境

クスノキの手当をして頂いた方が「これだけ大きな木になるには、環境が重要で、このあたりは本当に適していたのでしょうね」とおっしゃっていました。確かに人間の手が入っていない山はたくさんありますが、500年を越える年月を重ねる大木は滅多にありま…

手を合わせる

ずいぶん冷え込みが厳しくなってきました。寒い時には私達は自然に手を合わせています。冬場は不信心な人も自然に合掌をしているものです。合掌する姿は私達にとって暖かく、強く、尊いものです。 人間の運動機能のうち3分の1が手にあり、神経や筋肉が集中…