子供が、寝ころがりだらだらしている様子は、家事に追われる親から見れば、無駄の極みです。しかし、人間は何もしない時間があるからこそ、空想や想像、また内省をします。生産性から観れば無駄でも、生き方としては有意義な時間です。
しかも、人は一生という時間を過ごします。有意義に生きることだけを追い求めすぎると、必ず疲れが出てきます。社会的な無駄が問われる時代に、生き方までも重ね合わせないように注意すべきです。
何もせずに時間を過ごすことを「無為」といいますが、仏さまが説く「無為」とは、何物にも動じず、変わることのない安らかな世界を意味します。
何もしないという時間の大切さを、あらためて考えてみてはいかがでしょう。