無量のこころ

 

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 一般的な数の単位は、一十百千万億兆とつづき、あまり見慣れませんが、京、垓、𥝱(秭)、穣、溝、澗、正、載、極、恒河沙阿僧祇那由他、不可思議とあり、もっとも大きいものを無量大数といいます。

 

 仏教のことばでの無量心とは、広大でどこまでも成長しつづけていく心です。これを大きく四つに分けます。

 

○慈無量心

相手の幸せをのぞむ心

 

○悲無量心

苦しみをのぞいてあげたいと願う心

 

○喜無量心

相手が苦からのがれ、幸せになることを共に喜ぶ心

 

○捨無量心

自分にとって敵とか親しいなど、分けることなく、相手に何かをしてあげたというおごりを捨て、自分の生き方を静かに保っていく心

 

 ほとけさまは、限りがないほど多くの人々に対して、さらには、どこまでもこれら四種の心を尽くしていく姿をしておられます。

 

 大震災をうけて、被災をされたみなさまの生活がいっこくも早く向上されますことを祈っています。さらには、亡くなられた方々のご冥福を、今この時、困難な状況に立ち向かっている方々の安全を、再び良い時代を築いていけるという願いを、祈りを続けましょう。これからしばらくは混迷がおとずれ、怒りや恐れが増えるかもしれません。迷いに負けない私たちでいるためには、やはり、慈悲喜捨の心を保っていくよう努力をすべきです。

 

 人間は、大自然をコントロールすることはできません。しかし、私たちの感情は、努力をすれば調和を保ち続けることができるはずです。

 

 四月はこのような生きる力の法則を生みだされた、お釈迦さまのお誕生月です。みなさんで、お祈りをいたしましょう。