お檀家のみなさまへ

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 弘仁9(818)年、都で疫病が流行し、嵯峨天皇弘法大師空海のすすめで般若心経を写経され、苦しむ人々の平癒を祈りました。この故事にあやかり、お檀家の皆さまに写経用紙をお届けしました。お楽しみいただき、ご利益があることを願っております。

 

 さて、寺行事は集まらずに、拝むことができるように変更しております。ご本尊さまにお祈りし、ご先祖を大切にする心が、お互いを思う心につながると信じております。しかしながら、寺参りは状況に応じて、無理をなさらずに、気持ちが良いと感じる時になさってください。東漸寺ではお位牌堂に毎朝お霊膳をお供えし、供養を続けておりますので、どうぞご安心ください。

 

 年忌について、本堂での法要はしっかりと行いますが、他人を含む大人数のお斎(食事)は見合わせるべきと思っております。先日、遠方の家族が移動できずお参りできないと悲しんでおられました。離れていても、家族と心を共にして手を合わせられます。ご希望でしたら、どこからでもお勤めに参加できるようライブ配信もいたします。できる限りの行いで、ご先祖へお気持ちを伝えましょう。

 葬儀の参列者が発症したという報道がありました。例えば、通夜は住職と身内だけで早めにお勤めをして、みなさんには随時と案内しておけば、各自お別れしてお帰りいただけます。葬儀の本質は弘法大師から伝わる引導の儀式と読経を住職が行うことです。参列者の皆さまは、危険を作って密閉した空間に居続けなくとも、心を込めて焼香をすれば良いでしょう。

 

 祭壇や見栄え、飲食に工面するのではなく、家庭の雰囲気に合った供養の本来の意味をとりもどす機会だと感じています。不安なことがありましたら、お寺にご相談ください。

 

 戦争が迫りくる頃、作家の広津和郎は、「どんなことがあってもめげずに、忍耐強く、執念深く、みだりに悲観もせず、楽観もせず、生き通して行く」と説きました。この言葉のひとつひとつを大切にして、この困難な世の中を歩んでいきましょう。 合掌

 

          東漸寺 住職 奥島正就