お巡り

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お巡(めぐ)りさんが着る白衣を、笈摺(おいずる)といいます。

 

笈(おい)とは、ほとけさまや身の回りの品を背負う箱で、背負子に箱が組み合わさったようなものですね。これを背負うときに、衣が摺(す)れないように着ていたものが本来です。

 

笈摺には、お大師さまをお慕いされるのであれば、南無大師遍照金剛の文字を背中に入れます。

同行二人(どうぎょうににん)といって、常に自分自身がお大師さまとなって修行をすることが巡礼です。

 

笈摺を身につけていることは、自身が仏である、つまり、行動や言葉、そして心から慈しみを忘れないようにしなければなりません。その上で、季節や土地を楽しみ、霊場を巡ることによって、観光旅行では見えないものを観じることができるでしょう。

 

ちなみに、笈摺をお持ちの方が亡くなられた時は、着せて(現実にはむずかしいでしょうから、上からかけて)あげるとよいでしょう。 

岩問山(いわとさん)

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 お寺から東南の方向に東漸寺の山林があり、古道を15分ほど登ったところが、奥の院、岩問山(いわとさん)です。和銅年間(708年)に行基菩薩により開かれたと伝えられ、佐世保での霊山としてはもっとも古い時代のものとなります。寛和2年(986年)、この岩問山の薬師如来を現在の場所に移し、東漸寺が開創されます。

 落ち葉を踏みしめながらの岩問の道は、千三百年の時を経ています。現在の奥の院薬師堂は昭和62年に改築されました。石仏の薬師如来座像をおまつりしています。ここから、さらに30メートルほど進むと、奥の院跡奥屋敷です。

 明治39年、夜中に岩問さまの方から、ものすごい音がしました。夜が明けて、みんなで登ってみると、巨大な岩の崩落で、お堂は見る影もありません。しかし奇跡的なことに、お薬師さまはお堂から転がり出して、道にお座りになっており、無事だったと伝えられます。

 

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 木立を分け入り、お堂跡の岩壁を見ると、薬師経が刻まれています。天保10年(1839年)4月8日、東漸寺第二十四世法印観公代に、草刈彌平、工助が願主となりお堂を再建し、台座を新調したことが記してあります。

 

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 これまで、数え切れない多くの方が、喜びにつけ悲しみにつけ、岩問さまを拝むために、この道を通ったことでしょう。行きなさいと言われるわけではなく、だれかが待っているのでもありません。当然ですが、お茶がいただけることもなく、何かが売ってあるわけでもありません。ただ、1300年の時を経て、ひっそりと多くの人の手により、拝むことだけが目的で守り伝えられてきました。

 それが信仰の原点であるはずですし、東漸寺の基本姿勢です。毎月8日の朝、お寺を出て、お参りをしております。

写経会のご案内

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写経会

 

 元旦に写経会を行いました。周知をしていなかったので、寺族で行わないといけないかなぁと思っておりましたら、厄祓いでお参りに来ていらっしゃったご家族皆さんの参加をいただき、まずは20枚の納経ではじまりました。

 

そういう感じで、アットホームに行っておりますのでぜひご参加下さいね。

 

1月1日(木) ・ 15日(木)

2月1日(日) ・ 15日(日)

3月1日(日) ・ 15日(日)

 

すべて午後2時(1時間程度)

 

硯、筆、墨汁、また、筆ペンを用意しております。使い慣れたものがあればご持参下さい。準備など、みなさまにご協力をいただきながらの会となりますので、よろしくお願いします。

 

また、4月27日までは、本堂で写経ができるように机を出しておきます。法事などを行っていない時は、ご自由にお使い下さい。

写経奉納のお願い

奉納期間 平成27年元旦〜4月26日

 

 ご本尊さまの大修復のご縁つなぎとして、写経奉納を行います。お納めいただきました写経は、ご本尊さまの蓮華座へ奉納します。お名前をしるした写経が末代まで保存されます。お子さま向きも準備しておりますので、ご家族、ご親類など、多くの皆様にこの吉縁を活かしていただきたく、ご案内申し上げます。

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 写経は奥の院岩問山に摩崖に残されている薬師経(漢字108文字)と、薬師如来のご真言(ひらがな63文字)の二種類。 

 

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 お経を薄く印刷しており、なぞり書きをして頂きます。人に見せるものではなく、心をととのえることが目的です。ぜひご体験下さい。

 

 納経料一巻につき千円とし、ご本尊修復事業のお浄財とさせて頂きます。お一人で何巻でも、また御檀家の有無は問いません。

 

 納経料をお納めの上、写経用紙をお受けください。ご自宅でお書きになり、本堂の納経箱へ納めて下さい。遠方の方は必要枚数をお申し出下さればお送りします。

 

 また、寺にて写経会を行いますので、ご参加下さい。

 

写経会

 

1月1日(木) ・ 15日(木)

2月1日(日) ・ 15日(日)

3月1日(日) ・ 15日(日)

 

すべて午後2時(1時間程度)

 

硯、筆、墨汁また、筆ペンは用意しております。使い慣れたお持ちのものがあればご持参下さい。

準備など、みなさまにご協力をいただきながらの会となりますので、よろしくお願いします。

あけましておめでとうございます

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 東漸寺のご本尊さまは、薬師如来立像です。檜の一木造りで七百年ほど昔の鎌倉期に刻まれました。その後三百年前に京都で修復が加えられております。戦時中、防空壕へ隠されていたこともあり、大変痛みが激しく、平成26年度佐世保市文化財保存整備としてご協力を頂くこととなりました。現在、仏師さまのもとで修復されており、平成27年3月末に完了いたします。

 

 東漸寺では、平成27年、大修復を記念する行事を行います。多くのみなさまが広く楽しめるような文化行事となりますことを願っています。

 

 地方の小さなお寺が手作りで行う行事です。多くのみなさまにご興味をいただくことで、やりがいもでます。多くのみなさまの、さまざまな面でのご協力をお願いします。

門松が建ちました

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 お寺のすべてを知り尽くし、先代から現住にいたるまでお寺を支え続けていただいた方がいらっしゃいました。毎年の門松も材料の調達から建込みまで一手に受けて頂いていましたが、この夏をむかえようとするころ、急なお別れとなりました。

 

 その意志はしっかりと残り、今年も変わることのない立派な門松を、新たに集まっていただいた方々と共に建てることが出来ました。

 

 自分が生きた心や行いが、そこに自分はいないけれども、未来の人々が楽しむ力となれば素晴らしいです。

 

  人生の終わりを考えることが、不安をあおり未来を小さくしてしまうものもあるようです。何代も積み重ねていく中では、伸びるときがあれば、とどまることもあります。自分の一代の、ましてや目の前の損得で終活を語ることは慎重になるべきです。

 

 門松は年神さまを迎え入れるためのもの。すっと伸びたシイノキ、笑顔にみえる竹の切り口、形としての門松におわることなく、せっかくの一生、よりよき、伸びゆく歳を重ねていきたいです。人間の良心や信頼を胸に、今できることをやりぬき、今を生き抜くことが肝要です。

 

12月の寺行事

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今日は興教大師覚鑁上人の御正忌である開山忌報恩講でした。妙法蓮華経の如来寿量品を読誦します。

お経を聞きながら、一年を振り返ることが出来ることを喜びとして、縁ある様々なものに感謝の心を捧げてお焼香し拝みます。

 

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お説教は画僧 牧宥恵さま。明るいとか面白いということが人気の基準となっている世の中だけど、暗いとか不器用な人間の存在があることを閉ざす必要はない。世の中がうみだす型にとらわれる前に、しっかり根本を思考をすべきとのお話をいただきました。

 

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また、目の前で写仏をしていただき、みなさん興味津々で見守ります。

お寺では今まで写経だけを行っておりました。年明けにはご本尊さまの写仏ができるようにしますね ♪