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八祖大師

日々おもうこと

 真言宗の教えは、お釈迦さまが残された教えの数々を編纂した『大日経』『金剛頂経』の二つの教典が基本となります。その教えは、師からの口伝えが欠かせません。お大師さまが生死をかけて中国に渡られたのは、師を求めてのことでした。弟子に入ると決まりを守る誓いをたて(授戒)戒名を授かります。戒名は亡くなった時につけられるかのように思ってしまいがちですが、仏に帰依し決まりを守る誓いを持つ人としての名前なのです。それは二千年の時を越えて代々のお祖師さまから伝わってきたものであり、當山においても相承されています。

 このたび本堂内陣の左右の壁 に、八祖大師御尊影を掛けました。五年ほど前に、八女在住の仏師である西田法雲師と出会い、描いて頂いていたものです。絹本に岩絵具と切金細工が施された御尊影は、お大師さまからさかのぼること八人のお祖師さまです。真言宗寺院では八祖大師をおまつりすることが基本であり、おかげさまで念願かない完成致しました。

 近時、自由や人権の勝手な解釈で、学校制度、休日のあり方、お祭り行事など、様々なことが短期間の間に、人の都合で変えられていく風潮があります。すべて昔式が良いとは思いませんが、ご都合主義で たして心のケアが出来ているのか疑問です。神仏の決まり事、古来の習慣による節目、そういう目に見えないものに対する信心がもたらす安心が、私たちには必要です。

 大陸を歩み、海原を超えて心の拠り所を得ようとしたお祖師さま方を拝む時、信じる力の大切さを痛切に感じます。