お釈迦さまは、善い友(導きを与えてくれる人)と共に過ごすことの大切さを伝えます。悩みや苦しみは、人との関わりから生まれます。善い行いができる人と接すると安心が得られますから、そういう出会いを大切にしていきたいものです。
しかし、どこにでも善い友があるわけではありません。善い友が見つからない時に感じるのが孤独感です。お釈迦さまは群れずに力強く生きるサイに喩えて「サイの角のようにただ独り歩め」とも説きます。
一人っきりだと焦ったり、寂しさをまぎらわそうとしてしまいがちですが、できる限り自分自身の生活を見つめ、それを善いものにしていくことが大事です。人との出会いがない時には、本でも読んで知識を深めて、自らを高めるようにしたいですね。
春は出会いと別れの季節です。もしもちょっと寂しいかなって感じることがあれば、新たな道を願っている自分がいるのかもしれません。
われらは実に朋友を得る幸を讃(ほ)め称(たた)える。
自分より勝(すぐ)れあるいは等しい朋友には、親しみ近づくべきである。
このような朋友を得ることができなければ、罪過(とが)のない生活を楽しんで、犀(さい)の角(つの)のようにただ独り歩め。
『ブッダのことば(スッダニバータ)』中村 元訳 岩波文庫