受け手のこころ

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敦煌莫高窟57窟菩薩


 小学1年生の時、両親から寝る前に玄関の外に自分のバッグを出しておくように言われ、朝になるとそのバッグには、まんまと戦車のプラモデルが入っていました。うちは寺なのでサンタは来ないと作文に書いた(らしい)私を不憫に思った先生の配慮でした。サンタが来たのはそれっきりで、次の年からは夏の寺行事のお手伝いをすると、玩具を買うことができるというシステムに変更されました。

 さて、今年最後の少年院での授業。クリスマスをこんなところで、さらには坊さんの話を聞いて迎えるなんてとても寒い経験です。それで、10℃という気温は寒いのだろうか?ということをみんなで考えてみました。

 山の水は年間を通じてある程度一定です。滝の修行を夏にすると、かき氷を踏んだように冷たく、冬に雪をかき分けたどり着いた滝つぼは、温泉のように温かく感じました。19歳で半ばいやいやと、目の前のことだけをやり過ごしていた頃で、滔々と落ちる滝は変わりなく、恐々とする私は、とてもちっぽけで勝手ばかりの人間でした。それから10年後、同じ滝で修行をした時に、楽も苦しみも他からもたらされるものではなく、受け手の感覚によるものなんだと感じることができました。

 では、4℃は暖かいのか、寒いのかって?それはまた違う話のようですが、受け手の大きな心が、この困難な時代を良くしていく道だと信じています。メリークリスマス。