お大師さまは、身(からだ)口(ことば)意(こころ)が常に一致していることが、幸せの条件であるといわれました。
美しい月を見上げ、心からきれいだと思い、思わず「月がきれいだね」と言葉が洩れる時は、身体と言葉と心が一致しています。そういう純粋な行いの時には、どんな悩みも悲しみもなく、心が満たされています。
ですが、騒々しい現代の生活では、かなり意識をしないと身口意をそろえることは難しいものです。
きちんと座り、手を合わせ、お経を読むことは仏教の基本のスタイルです。この拝むという姿勢は、からだ ことば こころ を一致させる練習でもあるのです。
深まりゆく秋、心落ち着かせるよい季節です。