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野の花に

日々おもうこと

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 私の叔父は旧制中学校を卒業した後、僧侶となるべく東京石神井にあった智山専門学校へ進みました。この学校は大正大学へ統合。昭和18年、学徒動員で出兵をし、19年春にマニラ沖の輸送船で戦死をしました。戦後、私の父が意思を継ぎ大学へ進み、お寺を守ることとなりました。

 

 明治維新の混乱の中、家を失い6歳で出家をした祖父がたどり着いたのが、破れ寺となっていた東漸寺でした。 平戸藩がなくなりお寺は廃寺で御本尊を守り伝えようと30戸ほど家が集まり御檀家を作り、住職を請い入れました。お寺で生まれた初めての子ども、それが私の叔父ということになります。

 

 荒れた境内で育つ弟妹を率いる叔父は、「きれいなお寺にせんばね」と語りながら、お地蔵さまのまわりに、珍しい花を植えたそうです。東京へ出て行く前のことだったそうです。

 

 それがこのタマスダレ。今年も可憐な花を咲かせています。

 

 私は叔父に会ったことはありませんし、叔父が僧侶になることが出来たならば、私という存在がこの世の中には無かったことでしょう。

 

 この花を通じて、今、こういうお寺となっていますよと、伝えることができるようで有難いです。