とどまっていては、伝わらない

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 展示していた十王図が少々剥離したので、ごくごく薄い膠で押さえています。

 

 保存と展示は相反するので美術館は難しいですと、島瀬美術センターの安田館長がおしゃっていました。ホントそうですよね。

 

 今回展示しているものは、普通に仏具として現役で使っているものばかりなので、なおさら痛みは激しくなるのですが、だからこそ仏の法が伝わり、作者の思いも繋がるのだと思います。

 

 今回展示している仏具や絵図などをご覧頂いた方から、もったいないから常設展にしてと有難いお言葉も頂いておりますが、そもそも収蔵庫にしまっているわけではなく、お季節折々の寺行事の際に拝んでいるものばかりなのです。

 

 もちろん、専門家の修復を受けることができれば一番良いのですが、なかなかそうもいかずに、やむなく欠落して無くならないようにだけは心がけています。

 

 伝えるチカラ〜修復された仏像は、4月26日(日曜日)夕方6時までの展示ですので、ぜひお越しください。