身花  身美

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 身を美しく飾ると書いて、「しつけ」と読みます。この文字は日本で作られた国字で、この字の他に、身に花と書いて「しつけ」と読ませていたそうです。私はこの身に花の字が好きです。花はそれぞれに美しい色があります、赤は赤なりに、白は白なり、黄色は黄色なりに個性を生かし、人が見ようが見まいが、一生懸命に咲きほこっているからです。

 

 さて、この躾とは、礼儀、作法を身につけさせることとあります。そして、もうひとつ「仕付け」という言葉に、着物の仕立てが狂わないように本縫いの前に糸で荒く縫っておくことがあります。そうです「しつけ」とは、先々を考えて、間違わないようにするための手段なのですね。
 
 「おたくのお子さんは、よく、おしつけが出来ておられますね」
 
 「いえいえ、うちは、何も押し付けはしていませんよ」
 
 ちょっとややこしくなりましたが、子供の躾も、着物の仕付けも、けっして押し付けにならないように粗くするのが正解でしょう。しつけとは、あまり丁寧では、いけないようです。
 
 子供がやらなければならないことを、親が代わってやってはいけません。ただし、子供が途中で投げ出したり、間違ったりしないように、仕付けをしてあげるべきでしょう。仕付け糸は強すぎず弱すぎず、ちょうどいい加減でなければなりません。さらに最後は切れてなくならなければなりません。美しくなるのは子供自身であり、親ではないのです。
 
 しかし、「子供は、大人が言うようにはしない、大人がするようにする」のです。その時、伝家の宝刀が火花を散らし、大人は叱り、子供は反抗する。
 
 叱りと躾は別物です、いつの時代でも叱りより「しつけ」の方が大事です。子供のために。そして大人のためにも。